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“下地”で決まる人工大理石の施工精度ー設計者が知っておくべき基礎知識

どれだけ美しい素材を使っても、下地が不安定では仕上がりに大きく影響します。特に人工大理石は、フラットさや強度を前提とするため、下地処理が重要です。設計段階から知っておきたい、下地の基本知識と注意点を整理します。

人工大理石施工に求められる下地条件とは?

人工大理石は均一で硬質な素材であり、施工時には『面の精度』『支持力』『安定性』が求められる。そのため、使用する下地には以下のような条件が必要となります。

・平滑性(フラットさ)
 人工大理石は厚みが限られており、下地の凹凸がそのまま仕上がり面に影響する。特に長尺カウンターでは、数ミリの傾斜でも隙間や反りが生じる可能性がある。

・ 強度・支持力
 重量物を載せたり、頻繁に使用される什器では、人工大理石の荷重を確実に支える構造が必要となる。薄い合板や下地鉄骨が撓むと、後に割れや浮きの原因となる

・含水率
 湿気を含んだ木下地やモルタルでは、接着不良や変形が起きるリスクがある。乾燥状態の確認と、接着剤との相性確認が重要である。

このように、人工大理石施工には「表に見えない部分」の整備が品質を左右するのです。

下地が原因で起こる施工不良とトラブル事例

実際の現場では、下地の不備による施工トラブルが少なくありません。代表的な事例は以下のとおり。

・反り・たわみの発生
 カウンター中央が沈む、端部が浮き上がるなど、支持ポイントが不足していたケース。補強下地がなかったため、数か月後に歪みが目立つようになった事例もある。

・割れ・ひびの発生
 下地がたわんだ状態で接着された結果、人工大理石に過剰な応力がかかり、割れた事例。

・ズレ・浮き
 下地面の傾斜によって接着不良が発生し、数日後に端部が浮き上がったケース。特に壁面施工や吊戸棚の下部など、重力の影響を受けやすい部位で多く見られる。

こうした事象は、下地材の選定ミスや施工前のチェック不足が主な原因であり、未然に防ぐことが可能です。

弊社が行う下地確認と施工品質を保つ仕組み

弊社では、人工大理石施工の品質を確保するために、施工前の下地確認を徹底しています。

・現場調査  
必要に応じて施工前に、下地材の材質・平滑性・強度・乾燥状態を確認し、基準に適さない場合には改善策を提案、相談。

・仮組みによる精度検証
 カウンターや大型什器の場合、工場での仮組みによって、下地との納まりや水平精度を事前に検証することもあります。現場搬入後のトラブルを未然に防ぐ有効な手段となる。

・現場サポート
 現場スタッフによる立ち会い確認を通じて、設計通りの精度を現場で実現。

このように、素材の性能を最大限に引き出すための「見えない支援体制」が弊社の強みです。

まとめ

人工大理石の美しさや耐久性を発揮するには、下地の精度が欠かせません。設計段階から下地の状態を意識することで、施工後のトラブルを防ぎ、長く安心して使える空間が実現できます。弊社では、現場と連携した下地確認・仮組み・施工支援を通じて、高品質な仕上がりをサポートしています。下地設計や施工でお悩みの際は、ぜひご相談ください。


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