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人工大理石で実現する“立体造形”、空間に映える曲線デザインのつくり方

カウンターや什器に柔らかな曲線を取り入れることで、空間全体にやさしさや高級感が生まれます。人工大理石は、自由な曲面加工が可能な素材のひとつ。本記事では、設計者が知っておきたい曲線デザインのコツや、加工精度を活かした立体造形の実例をご紹介します。

曲線加工に強い人工大理石の素材特性とは

人工大理石は、樹脂を主成分とする人造素材であり、一定の温度で加熱することで、曲げ加工や立体成形が可能になります。これにより、木材や金属では難しいなめらかなR形状や立体的フォルムを再現できるのが大きな特長です。

特にアクリル系人工大理石は、熱を加えることで均一に柔らかくなり、型に合わせた自由な曲線成形がしやすい素材として重宝されています。形状の自由度が高いだけでなく、成形後も接合部が目立ちにくく、シームレスな外観に仕上げることが可能です。

素材選定の段階で、曲げ半径の限界値や厚みの特性を把握しておくことにより、設計段階から無理のない計画が可能となります。

空間に“やわらかさ”を与える曲線デザインの設計ポイント

直線的な構造物が多い空間において、人工大理石の曲線デザインは、視覚的にやさしく、空間全体の印象を和らげる効果があります。

たとえば、エントランスの曲面カウンターは、来訪者に対して柔らかい印象を与えるだけでなく、動線に沿った自然な誘導を可能にします。什器や受付まわりの曲線処理は、滞在時間が長い空間でのストレス軽減にも貢献します。

さらに、曲面を多用することで空間に“動き”や“流れ”が生まれ、視覚的な広がりを演出することができます。特に、限られたスペースでも曲線を活用することで、壁やカウンターが圧迫感なく空間に馴染むようになります。

設計時には、R寸法、連続曲線の整合性、接合ラインの隠し方などを意識することで、より完成度の高い立体デザインが可能となります。

弊社が手がけた立体加工の実例紹介

弊社では、独自の加熱・型成形技術とNCルーター加工を駆使し、数多くの立体造形プロジェクトを支援してきました。

たとえば、オフィスの受付カウンターでは、ジョイント出隅をトメや合い欠き加工などでシームラインが目立たないように工夫しました。三次曲線加工した板と、曲げ加工していない板の色差を防ぐため、加熱時間と温度の調整を行いました。三次元曲げの板部分が七分ツヤであり、見る角度によって板のよれが光の屈折によって目立つため、磨き工程にも丁寧な調整を加えました。

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まとめ

人工大理石は、意匠性の高い立体造形を実現できる数少ない建材です。加熱による自由な曲線成形や、継ぎ目を目立たせない加工性を活かすことで、空間にやわらかさと高級感を同時に演出できます。弊社では、設計段階からの提案・技術支援を通じて、空間の可能性を広げる立体デザインをサポートしています。曲線や立体造形を取り入れた空間づくりをご検討の方は、ぜひご相談ください。


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