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仮置きから本施工までの手順と「見積工程表」の作り方

人工大理石は最終仕上材であり、施工精度が仕上がり品質を左右します。本施工前に行う仮置き(仮設置)は、現場状況を確実に把握し、後工程のトラブルを防ぐための重要なプロセスです。本記事では、仮置きの目的、本施工までの段取り、そして見積工程表への反映方法までを整理します。

仮置き(仮設置)の目的と必要性を再確認

仮置きの主な目的は以下の3点です。

 1.現場実寸との照合:図面寸法と実測値に差異がないかを確認。特に壁際やコーナー部は微調整が必要なことが多い。

 2.下地状態の確認:レベルや不陸、強度などを確認し、必要な補修や調整を本施工前に実施。

 3.他設備との整合性チェック:シンク・水栓・電気機器など、開口位置や干渉の有無を事前確認。

仮置き時のチェック項目例

 ・水平・垂直精度(±1mm以内を目安)

 ・壁との隙間・直角度

 ・設備配管・配線の干渉有無

 ・表面・エッジの傷・欠けの有無

 ・部材番号と図面の一致

本施工までの工程フローと段取りの要点

本施工は、以下のステップで進めます。

 1.接着:メーカー推奨の接着剤を規定量塗布し、圧着時間を厳守。

 2.養生:接着面を保護し、完全硬化まで動かさない。

 3.固定:必要に応じてクランプやストッパーを使用し、位置ズレを防ぐ。

 4.最終確認:水平度、水勾配、隙間の均一性、表面の仕上がりをチェック。

工程管理では、他業種との作業バッティングを避けることが重要です。塗装や内装仕上げ、設備据付と同時進行しないよう工程表を組み、作業順序を明確化します。

見積時に組み込むべき「施工時間・工程」の考え方

人工大理石施工にかかる工数は、弊社施工の多くが1日で完了します。

 ・午前:搬入・仮置き・位置決め

 ・午後:本施工(接着・固定)〜仕上げ・最終確認

ただし、人工大理石は最終仕上材のため、事前の下台設置が正確に完了していることが前提です。下台の水平・直角が確保されていなければ、その調整に時間がかかり、工程全体に影響します。

1日単位の工程設計例

 ・8:30〜10:00 搬入・仮置き・寸法照合

 ・10:00〜12:00 下地調整・接着準備

 ・13:00〜15:00 本施工(接着・固定・養生)

 ・15:00〜17:00 最終確認・養生設置・清掃

まとめ

 仮置きは単なる試し置きではなく、精度確認・下地調整・干渉チェックのための重要工程です。見積工程表には、仮置きから本施工までの流れを正確に反映させ、1日単位で完了する計画を立てることが、スムーズな現場進行と高品質な仕上がりにつながります。