仮置きから本施工までの手順と「見積工程表」の作り方
2025/12/11
人工大理石は最終仕上材であり、施工精度が仕上がり品質を左右します。本施工前に行う仮置き(仮設置)は、現場状況を確実に把握し、後工程のトラブルを防ぐための重要なプロセスです。本記事では、仮置きの目的、本施工までの段取り、そして見積工程表への反映方法までを整理します。
仮置き(仮設置)の目的と必要性を再確認
仮置きの主な目的は以下の3点です。
1.現場実寸との照合:図面寸法と実測値に差異がないかを確認。特に壁際やコーナー部は微調整が必要なことが多い。
2.下地状態の確認:レベルや不陸、強度などを確認し、必要な補修や調整を本施工前に実施。
3.他設備との整合性チェック:シンク・水栓・電気機器など、開口位置や干渉の有無を事前確認。
仮置き時のチェック項目例
・水平・垂直精度(±1mm以内を目安)
・壁との隙間・直角度
・設備配管・配線の干渉有無
・表面・エッジの傷・欠けの有無
・部材番号と図面の一致
本施工までの工程フローと段取りの要点
本施工は、以下のステップで進めます。
1.接着:メーカー推奨の接着剤を規定量塗布し、圧着時間を厳守。
2.養生:接着面を保護し、完全硬化まで動かさない。
3.固定:必要に応じてクランプやストッパーを使用し、位置ズレを防ぐ。
4.最終確認:水平度、水勾配、隙間の均一性、表面の仕上がりをチェック。
工程管理では、他業種との作業バッティングを避けることが重要です。塗装や内装仕上げ、設備据付と同時進行しないよう工程表を組み、作業順序を明確化します。
見積時に組み込むべき「施工時間・工程」の考え方
人工大理石施工にかかる工数は、弊社施工の多くが1日で完了します。
・午前:搬入・仮置き・位置決め
・午後:本施工(接着・固定)〜仕上げ・最終確認
ただし、人工大理石は最終仕上材のため、事前の下台設置が正確に完了していることが前提です。下台の水平・直角が確保されていなければ、その調整に時間がかかり、工程全体に影響します。
1日単位の工程設計例
・8:30〜10:00 搬入・仮置き・寸法照合
・10:00〜12:00 下地調整・接着準備
・13:00〜15:00 本施工(接着・固定・養生)
・15:00〜17:00 最終確認・養生設置・清掃
まとめ
仮置きは単なる試し置きではなく、精度確認・下地調整・干渉チェックのための重要工程です。見積工程表には、仮置きから本施工までの流れを正確に反映させ、1日単位で完了する計画を立てることが、スムーズな現場進行と高品質な仕上がりにつながります。
