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「あとで困る」を防ぐ!乾燥・養生時間の正しい組み込み方

人工大理石施工では、接着剤やコーキング材の乾燥・硬化、表面保護のための養生工程が不可欠です。これらを軽視すると、後日不具合や補修コストが発生します。ここでは、乾燥・養生に関する基本知識から工程設計、現場での注意点までを整理します。

人工大理石施工に欠かせない乾燥・硬化の基本知識

接着剤・コーキング材の硬化時間(製品別目安)

人工大理石の施工では、エポキシ系・アクリル系接着剤やシリコーン系コーキング材が使われます。

  ・エポキシ系接着剤:初期硬化約12〜24時間、完全硬化3〜7日

 ・アクリル系接着剤:初期硬化約30〜60分、完全硬化24時間程度

 ・シリコーン系コーキング材:表面硬化1〜2時間、完全硬化24時間以上(厚みや湿度による)

気温・湿度が影響する乾燥スピードとその管理法

気温が低いと硬化が遅れ、高温多湿では硬化が早まりすぎることもあります。現場ではメーカー推奨の施工温度範囲(一般的に5〜35℃)を維持し、必要に応じて送風機や除湿機を使用します。特に冬場は硬化不良を防ぐため、夜間の低温対策が重要です。

施工スケジュールにおける“養生工程”の設計法

養生期間を組み込んだ工程表作成のポイント

人工大理石は表面が美しい反面、傷や欠けに弱い素材です。接着硬化中や完成後の保護養生を工程表に組み込み、最低でも24時間の養生期間を確保します。硬化中に荷重がかかると接着強度が低下するため、他職種の作業を避ける計画が必要です。

次工程(他職種工事)とのバッティング防止策

養生中は現場の導線を変更し、作業員が人工大理石上を通らないようにします。工程会議や日報で他業者と情報共有し、同時作業による養生材の破損を防ぎます。

現場でありがちな“養生不足”による不具合とその回避策

よくある不具合

 ・傷:工具落下や擦過による表面キズ

 ・変形:硬化前の荷重や局所的な加圧で反りや沈みが発生

 ・接着不良:硬化不足の状態で荷重や振動が加わることによる剥離

養生材の適切な使用方法と解除タイミング

表面にはノンスリップタイプの養生シートを使用し、角部やエッジには緩衝材を追加します。解除は完全硬化後、かつ周辺作業が完了してから行うのが理想です。過早な解除は破損リスクを高めます。

まとめ

 乾燥・養生時間は、人工大理石施工の品質を左右する重要工程です。現場では製品特性・気象条件を考慮した硬化管理と、他職種との工程調整を徹底することで、後日のクレームや再施工を未然に防ぐことができます。


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