CONTACT US

現場搬入で失敗しない!人工大理石製品の“養生・運搬マニュアル”

人工大理石は、デザイン性と加工性の高さから、住宅や商業施設の内装に広く採用されています。一方で、現場搬入の過程で傷や欠けが生じるリスクも高く、慎重な取り扱いが求められます。特に大型のカウンターや一体成形の洗面ボウルなどは、搬入ルートや作業体制によって品質に大きな差が出ます。本記事では、搬入時のトラブルを未然に防ぐための“養生・運搬マニュアル”を解説します。

搬入前に確認すべきポイントとは?|現場導線と製品状態の事前把握

人工大理石製品の搬入を成功させる第一歩は、事前の現場確認です。まず、製品の寸法、重量、形状を正確に把握し、それに応じた人員配置や搬入機材(台車・ベルトなど)を準備することが重要です。 特にL字型や長尺物は搬入経路の制約が多く、エレベーターや階段の寸法、曲がり角の余裕を実寸で確認する必要があります。

さらに、建物の壁・床・開口部の養生計画も事前に立てておくべきです。特にエレベーターの内装や搬入口の扉周辺は傷が付きやすいため、施主・現場管理者との打ち合わせで養生範囲を明確にしましょう。

傷・欠けを防ぐための養生と固定方法|養生材の選定と活用法

人工大理石は見た目以上に繊細な素材です。表面の光沢やエッジ部分は特に傷が付きやすいため、搬送時の梱包には注意が必要です。推奨される梱包資材としては、柔軟性のある発泡シートや、角部を保護するコーナーパッド、全体を包むラップ材などが挙げられます。荷姿は必ず「面を上に・エッジを保護する」形で整えることが鉄則です。

とくに注意したいのが「平積みの禁止」です。人工大理石を水平に寝かせて運ぶと、重力によって中央部分に応力が集中し、たわみや割れを引き起こす可能性があります。
平積みは厳禁!必ず立てて運ぶのが基本です。
・天板は縦向きに、長手方向を下にして立てて運搬しましょう。
・立て掛ける際は、床や壁などの接地面にも養生を施しておく必要があります。

角や端部の欠けは、最もよく発生するトラブルのひとつです。とくにエッジ部分は欠けやすいため、搬送中の衝撃吸収や製品同士の接触防止のためにも、滑り止め材や緩衝材を組み合わせて対応しましょう。

搬入時の作業フローとチェックリスト|チーム連携とダメージ防止策

搬入作業時には、明確なフローとチーム内の役割分担が肝となります。大きな天板は、たわみやねじれによって破損するリスクがあるため、「2人以上」での搬入が前提です。
・最低2名で作業を行うことで、荷重バランスを安定させ、製品に無理な力が加わるのを防げます。
・サイズが大きい製品が多いため、一人で持ち運ぶと周囲の壁やドア枠に接触しやすく、思わぬ負荷で欠けやヒビが生じる恐れがあります。無理な作業は禁物です。

持ち手の掛け方、重心の取り方を事前に確認しておくことで、搬入時の事故や破損を防ぐことができます。また、建物側との連絡体制も重要です。搬入直前には「今から搬入を開始します」と一報を入れ、エレベーターの確保や通行人との接触回避を確認しましょう。作業完了後には、製品および建物側の状態を記録し、万が一のトラブル時に備えましょう。

まとめ

人工大理石製品の品質を最大限に活かすには、現場搬入における“ひと手間”が欠かせません。丁寧な養生、適切な人員体制、そして緻密な事前確認が、製品を無事に現場へ届ける最善の方法です。現場ごとの条件に応じた柔軟な対応で、仕上がりの美しさと顧客満足を守りましょう。


お問い合わせはこちら