“長尺加工”はどこまでできる?人工大理石のシームレス施工の限界と工夫
2025/10/23
シームレスな意匠が求められる場面で、人工大理石は強い味方になります。しかし、素材ごとに「長尺加工」の限界も存在します。継ぎ目の見えにくい施工を実現するために、設計・加工・搬入段階で何が必要なのかを解説します。
人工大理石の最大加工サイズとその制約
人工大理石は、天板やカウンター、什器などで継ぎ目の目立たない“シームレス”な仕上がりを求める設計に多く採用されています。しかし、素材ごとに加工できる最大サイズには制限があります。
たとえば、一般的なアクリル系人工大理石では、標準サイズが約3,000mm×760mm前後であり、これを超える場合には、接合(シーム)処理が必要となります。サイズを拡張して一体加工しようとすると、搬入経路の幅、エレベーターや階段での運搬性、設置時の荷重制限など、さまざまな実務上の課題が生じます。
また、長尺になるほど素材のたわみや割れのリスクも増すため、構造補強や裏面のリブ加工を設計段階から検討することが重要です。つまり、“どこまでを一体で製作するか”、“どこで分割するか”という見極めが重要です。
継ぎ目を“見せない”ためのシーム処理・設計工夫

仮に複数のパーツに分割せざるを得ない場合でも、シーム(継ぎ目)を目立たせない工夫によって、視覚的にはシームレスな仕上がりを実現できます。
弊社では、以下のような精度の高いシーム処理技術を導入しています:
・光の反射を避ける位置に継ぎ目を配置し、目立たない部位で接合する
・エッジや曲面との交差部を活かし、“意匠として見せる”継ぎ目設計を行うことも可能
また、表面研磨による仕上げ工程で、段差や不自然なラインを丁寧に削り合わせる職人の技術も重要な要素です。現場での精密な位置合わせに加え、温度や湿度の管理も仕上がり品質に大きく影響します。
弊社が実現する長尺対応と現場支援体制
弊社では、長尺加工に関する技術的な課題を把握したうえで、現場ごとに最適なアプローチをご提案しています。たとえば:
・工場での仮組みによるサイズ確認と、分割位置の事前検証
・搬入経路に応じた分割搬送と、現場での接着仕上げ
・搬入当日にスタッフを派遣し、組立・研磨までを現場でサポート
など、一貫した現場支援体制を整えています。
まとめ
人工大理石を用いた長尺加工・シームレス施工には、素材特性・加工技術・搬入設計など多角的な配慮が求められます。弊社では、設計初期からの相談対応、加工・施工ノウハウ、現場支援体制を通じて、空間の意匠性を損なうことなく、高精度な施工を実現しています。長尺対応をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
