人工大理石×照明ー間接照明を活かす光透過素材の活用術
2025/10/18
近年、内装設計において「素材+光」の掛け合わせによる演出が注目されています。人工大理石の中には、光を美しく透過する素材も存在し、照明と組み合わせることで印象的な空間を創出できます。照明設計と連動した素材活用のコツを解説します。
光を透過する人工大理石とは?素材の選び方と特性
人工大理石といえば不透明なイメージを持つ方も多いかもしれませんが、アクリル系の人工大理石の中には、高い透光性を備えたタイプも存在します。これらの素材は、光を優しく拡散し、内部に仕込んだ照明の光源をぼかして空間演出の一部に変えることができます。
透光性素材を選定する際に重要なのが、素材の厚みと色調です。厚みが増すと光の透過率は下がり、重厚な印象になります。一方、薄すぎると光が強く抜けすぎてしまうため、5〜10mm程度の厚みが理想的とされています。また、乳白色や淡いベージュ系など、光の拡散に適したカラーリングを選ぶことで、より自然な光の演出が可能となります。
間接照明と組み合わせる設計・納まりの工夫
照明演出を成功させるためには、素材選びだけでなく「納まりの設計」も鍵となります。特にLEDと人工大理石を組み合わせる際には、光ムラやドット感を避けるための設計上の工夫が不可欠です。
代表的なポイントとしては:
・LEDの配置距離:素材裏面との距離を20〜30mm以上確保することで、光がやわらかく拡散されます。
・裏面の反射処理:アルミシートや拡散フィルムを使用し、光漏れを抑えながら効率的に前面へ反射させます。
・取り合いの工夫:壁・床・什器と接する部分には、配線スペースやメンテナンス口の確保が必要です。外観に影響を与えないよう、設計段階から構造と一体で検討します。
弊社ではこうした納まりにも精通しており、図面上での照度シミュレーションや試作検証を通じて、設計者とのすり合わせを行っています。
照明×素材で空間演出を強化した施工事例
弊社が手がけた実例の中でも、受付カウンターや壁面装飾における透光性人工大理石の活用は特に注目されています。
たとえば、東京・千代田区の「ベンジャミンステーキハウス 東京ガーデンテラス紀尾井町店」では、透過性のあるコーリアン®を使って光るカウンターテーブルやスタンドテーブルを施工しました。高級感を保ちながら、華やかなテラス空間を演出し、来訪者の気分を高めています。
このように、光と素材の相乗効果を活かした設計は、空間価値を大きく引き上げる要素となります。
まとめ
透光性を備えた人工大理石は、照明と組み合わせることで空間演出の幅を広げることができる高機能素材です。弊社では、素材選定から納まり設計、照明との協調までを一貫してサポートし、設計者・施工者とともに魅力ある空間づくりを行っています。照明演出を取り入れた内装をご検討の際は、ぜひご相談ください。