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現場で本当に起きている!人工・人造大理石施工トラブルとその解決法

 人工・人造大理石は意匠性と施工性を兼ね備えた優れた建材ですが、施工後の「剥がれ」「ひび割れ」「目地の汚れ」など、見た目と機能に関わるトラブルが少なくありません。こうした問題は顧客からの信頼を損なうだけでなく、再施工やクレーム対応にかかるコスト増加の原因にもなります。

この記事では、実際の現場で頻発しているトラブル事例と、その背景にある施工の落とし穴、そして解決策を詳しく解説します。

剥がれ・ヒビ・汚れ…よくある施工トラブル事例

人工・人造大理石施工で報告されるトラブルの中でも、頻度が高いのが以下の3つです。

・接着不足による剥がれ
下地と石材の間に隙間が生じ、施工から数か月で石材が浮いてくるケース。特に外壁や水まわりで多く発生しています。

・目地の汚れ
施工後しばらくすると、目地に黒ずみやカビが発生。美観を損ねるだけでなく、石材全体の劣化を早める原因になります。

・石材のヒビ割れ
軽微な衝撃や温度変化によって発生する細かなクラックは、初期段階で見落とされやすく、後に重大な破損につながることがあります。

これらはいずれも、施工品質のばらつきによるものであり、工程の見直しによって予防可能です。

施工失敗の原因分析と再発防止策

よくある施工不良には、共通する原因がいくつかあります。

・下地不良
下地が湿っていたり、不陸があったりすると接着剤がうまく機能せず、施工後に浮きや剥がれが起きやすくなります。含水率5%未満の確認や左官による平滑処理が不可欠です。

・接着剤選びのミス
使用環境や下地材との相性を無視して接着剤を選ぶと、密着不良や化学反応による変色の原因になります。施工前にはメーカーの技術資料や試験施工を必ず実施しましょう。

・補修技術の未整備
小さな剥がれやヒビを放置することが、大きな劣化につながります。早期に対応できるよう、エポキシ樹脂の注入やタッチアップ材の常備、職人への補修研修が再発防止に効果的です。

補修とチェックリストで仕上がり品質を守る方法

人工・人造大理石の品質を維持するには、補修体制と品質チェックの仕組みが重要です。

まず、補修に関しては、施工マニュアルに応急措置の手順を組み込み、現場で迅速な対応ができる体制を整えましょう。ヒビの補修には樹脂充填、剥がれ箇所には部分張り替えを行い、周囲と色や模様が合うよう配慮が必要です。

また、品質管理では「施工チェックリスト」の活用が効果的です。以下のようなポイントを事前・中間・完了時に確認します。

・下地の乾燥・不陸チェックは完了しているか

・接着剤の種類と使用量は適正か

・目地の仕上がりは均一か

・養生期間は十分か

これらを第三者の目でダブルチェックすることで、現場ごとの品質ばらつきを最小限に抑えられます。

まとめ

人工・人造大理石の施工は「完成時がきれい」で終わりではなく、10年、20年と続く品質の持続性が問われる仕事です。現場で実際に起きているトラブルを把握し、施工プロセスと補修対応の質を高めることが、顧客満足と業者の信頼を同時に守るカギになります。属人的な作業に頼るのではなく、標準化された仕組みづくりによって、施工品質の安定化を目指していきましょう。


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