サステナブルな取り組みで社会的価値を高める
2025/08/15
企業にとって、業務効率を高め利益を最大化することは永遠の命題です。しかし、その利益が「持続可能であるかどうか」は、今や事業の根幹に関わる重要なテーマです。気候変動や資源枯渇、廃棄物の増加といった地球規模の課題に対し、企業がどのように応答するかが問われています。今回は、企業の社会的価値を高めるためのサステナブルな取り組みについて、最新の製品事例も交えてご紹介します。
サステナビリティで社会的価値を高める
企業におけるサステナビリティの意味とは
サステナビリティとは、単なる「環境配慮」にとどまらず、環境・社会・経済の3つのバランスを取りながら、長期的に持続可能なビジネスを構築することを意味します。とくに製造・建設業界では、材料調達や製造工程、廃棄物管理などの側面で持続可能性への配慮が求められています。
企業がサステナビリティに取り組むメリット
サステナブルな取り組みは、単なる「義務」ではなく競争優位の源泉になり得ます。環境認証取得によるブランド力の強化、調達基準における信頼獲得、さらには脱炭素やコスト最適化を実現する技術革新の契機にもなります。また、SDGsやESG投資が注目される中、企業の評価軸としても無視できないものとなっています。
エコ素材とサステナブル製品の具体例
再生原料を活用した「リサイクルコーリアン」
(株)エービーシー商会は、再生アクリルを活用した「リサイクルコーリアン」を展開しています。これは製造時に発生する端材や不良品を粉砕・再加工して再利用するもので、耐久性や美しさはそのままに、廃棄物削減に貢献します。飲食店やオフィスのカウンター、病院の什器などに広く採用されています。
ハイマックスのプレミアムシリーズ「ボルケニクス」
人工大理石ブランド「HI-MACS(ハイマックス)」からは、リサイクルチップを使用した「ボルケニクス」シリーズが登場。VE01「タンボラ」(リサイクル原料16%)、VW01「ジェミニ」(同14%)、VA01「サンタアナ」(同13%)など、自然石の風合いと環境配慮を両立した製品です。これらは米国のSCS認証を取得し、LEEDなどの建築評価制度にも対応しています。
VE01
タンボラ(最低16%のリサイクル原料含有)
VA01NEW
サンタアナ(最低13%のリサイクル原料含有)
VW01
ジェミニ(最低14%のリサイクル原料含有)
消費者とのギャップ:日本におけるサステナビリティ意識
一方で、日本の消費者は諸外国と比べてサステナビリティへの関心が相対的に低いと言われています。特に「価格が高いから」「効果がわからないから」といった理由でエコ製品を選ばない傾向がみられます。この「無関心」状態を打開するには、企業側からの積極的なストーリー提供と“気付き”の促進が欠かせません。
電通の調査でも示されたように、消費者がサステナブル製品を「自分ごと」として受け止めるには、企業が製品の背景やメリットを丁寧に伝え、選ぶ理由を明確化する「デカップリング(感情の壁を取り除くプロセス)」が求められます。
まとめ
持続可能な未来の実現には、企業が単に製品を「作る」だけでなく、その背後にある素材や工程にも責任を持つ姿勢が欠かせません。リサイクル素材の採用や製造工程の改善は、社会的価値を高める第一歩であり、それを選ぶ消費者との“共創”のカギでもあります。
サステナブルな取り組みは、今後の企業経営において「選択肢」ではなく「必須条件」になる—その意識こそが、私たちの未来をつくる出発点となるのです。