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人工大理石の”滑りにくさ”をどう確保する?歩行安全性を高める設計ポイント

商業施設や医療施設では、床材やカウンターなどに人工大理石を使用する際、歩行時の安全性が求められます。本記事では、人工大理石の耐滑性の基礎知識と、空間用途に応じた設計の工夫を解説します。

人工大理石の耐滑性とは

表面仕上げが滑り抵抗に与える影響

人工大理石・人造大理石の表面の滑りやすさは、仕上げの種類によって大きく異なります。グロス(鏡面)仕上げは表面が平滑なため、濡れた状態では滑りやすくなる傾向があります。一方、マット仕上げやテクスチャー加工を施した面は、接触面積の関係から摩擦抵抗が高まります。素材自体の特性だけでなく、仕上げの選択が耐滑性に直結することを理解しておくことが重要です。

歩行安全に関わる評価基準(C.S.R値など)

床材の滑り抵抗を測る指標として、C.S.R(すべり抵抗係数)があります。国土交通省の基準では、通常の歩行空間でC.S.R値0.4以上が目安とされており、水のかかる場所や高齢者・車いす利用者が多い空間ではより高い値が求められます。人工大理石を床材や段差面に採用する際は、素材の滑り抵抗が設計基準を満たしているか事前に確認することが必要です。

用途別の耐滑性の必要レベル

歩行量の多い空間で求められる基準

駅や商業施設など、歩行量の多い公共空間では、乾燥・湿潤いずれの状態でも一定の滑り抵抗が確保されることが重要です。このような空間にカウンターや床仕上げとして人工大理石を採用する場合、ノンスリップ加工や適切な仕上げ種類の選定が前提となります。また、施工後に想定外の滑りが生じないよう、実物サンプルによる確認を設計フェーズで行うことが推奨されます。

水気が多い空間での素材選定

洗面カウンター、厨房、医療施設の手洗い場など、水が常に存在する環境では、乾燥時より湿潤状態での滑り抵抗を優先する必要があります。アクリル系の人工大理石は非吸水性であるため衛生面では優れていますが、表面仕上げによっては湿潤時の滑りに注意が必要です。用途と素材の特性を照らし合わせた選定が求められます。

耐滑性を高める設計と施工のポイント

仕上げの選択と追加処理の工夫

素材の耐滑性を高める手法として、マット仕上げの選定のほか、ノンスリップ加工(研磨による表面粗度の調整、テクスチャー追加)があります。特に床や段差面に用いる場合は、加工業者と相談のうえ、すべり抵抗を確保した仕上げを設計段階で指定しておくことが重要です。

長期的に滑りにくさを維持する管理

竣工直後は適切な耐滑性を確保していても、使用による摩耗や清掃用薬品によって表面状態が変化することがあります。定期的なメンテナンス(再研磨・ワックス除去)を計画に組み込むことで、長期にわたって安全な状態を維持できます。清掃業者と素材特性を共有し、適切な清掃方法を確認しておくことも大切です。


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